ウィンドウを閉じる
     

コンサート&トーク

「ペルシアの伝統音楽−日本と西アジアをつなぐ音楽回廊」

2009年3月29日(日)14:00‐16:00


 
出演
演奏/シャーサーバリー=ハミド R
洗練された歌声といくつもの古典楽器を一人で演奏することで知られる。2004、2005年FIFAワールドカップサッカー国内予選で国歌独唱を行った。
 
解説/大野 遼
NPOユーラシアンクラブ主宰。日本音楽の源流とユーラシアの音楽を研究している。
 

プログラム(予定)


 ペルシアの伝統音楽は、「音楽の森」といわれる体系をもっています。大樹の根になぞらえられる特色ある音律を基礎とし、そこから発した7本の大樹、すなわち7つの独特の旋律がペルシア伝統音楽の楽典として継承されています。大樹の一本一本は「ダストガフ(手の場所)」といわれます。
 
第一部 イラン伝統音楽の鼓動 14:00-14:30
 

 

サントゥールを演奏するシャーサーバリー・ハミドさん

 シャーサーバリー・ハミドさんの演奏と歌でペルシアの伝統音楽をお楽しみください。
 ピアノの起源といわれるサントゥール、タンバリンのような形の太鼓ダフ、アジアでもっとも原始的な笛として知られるネイの繊細な演奏で、ダストガフ・シュールの音楽世界の一端をお聴きいただきます。ダストガフ・シュールは、7本の大樹の一つで、「気持ちが高揚する旋律」とされます。
 歌謡は「バハレデルキャシュ(春が私の心を掻き立てる)」と「アグラベゾリフェキャージュ(ゾリフェキュージュはサソリのよう)」をお届けします。「ゾリフェキュージュ」は女性のヘアスタイルの一つです。「女性の美しい髪が三日月のように見える。しかし意地悪な態度を見せる時にはサソリのように私の心を刺す」と歌います。
 
-----休憩10分-----
 
第二部 ペルシアから日本橋につながる音楽のシルクロード―三味線誕生の物語 14:40-15:20
 
 シルクロードは、いにしえのロマンではなく、時空を超えて現代につながる音楽の回廊である―大野遼さんはシルクロードの音楽を紹介する活動「アジアシルクロードミュージックキャラバン」を10年にわたって続けてきました。その中で着想を得た日本とアジアをつなぐ壮大な音楽史の一端をご紹介いただきます。
 
-----休憩10分-----
 
第三部 ダストガフの世界「シュールとマフール」−タンブルの演奏 15:30-16:00
 
 ふたたび、シャーサーバリー・ハミドさんの登場です。
 タンブルは、「ダルヴィシュの楽器」といわれる撥弦楽器。ダルヴィシュは、放浪しながら苦行を続ける僧であり、ペルシアの吟遊音楽集団でもありました。タンブルは、彼らが「瞑想する楽器」として好んだもので、ペルシア古典楽器の中ではどちらかといえば弾き易い庶民的な楽器です。7本の大樹の中から、ダストガフ・シュールと、ダストガフ・マフールの旋律をお聴きいただきます。曲は「ゴルアサジュノム(私の命ゴルアサ)」(ゴルは花の名前、アサは朝の意味)他。
     
  展覧会・イヴェント  
     

© 2006 Yokohama Museum of EurAsian Cultures