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自鑪庁至烏斯蔵程站輿図(ろちょうより うしぞうに いたる ていたんよず)

Map of the Routes from Luting to Tibet


 
     
 

絹本 彩色/40.5 x 308.3 cm/中国 清 19世紀末〜20世紀初頭

横浜ユーラシア文化館蔵

Color on Silk. Hand-Painted. 40.5 x 308.3 cm. Late 19th Century-Early 20th Century C.E., China

Owned by the Yokohama Museum of EurAsian Cultures

 
     
 

鑪庁(ろちょう)とは中国四川省のダルツェンド(打箭鑪、現在の康定)のこと、烏斯蔵(うしぞう)とはチベットを示す言葉です。絵図の題名「自鑪庁至烏斯蔵程站輿図」は、「ダルツェンドからチベットに至るルートマップ」という意味になります。

 

中国四川省の西方からチベットへの道のり、さらに新疆、ロシアに至る地域が描かれたこの絵図は、この地域への旅行がまだ命がけだった時代の詳細なルートマップです。絹布に描かれた絵画作品であると同時に、旅の情報が盛り込まれた実用書でもあり、この時代の東西交通路の一端を示す貴重な資料です。


類例のない作品と考えられていましたが、2006年には北京の国家図書館に、2008年には北京大学によく似た絵図のあることが明らかになりました。
比較研究の対象を得た今、この絵図は、絵画作品としてばかりでなく、歴史資料としての価値が注目されています。

 
     
     

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