楔形文字粘土板文書 Cuneiform-inscribed Clay Tablets

Cuneiform-inscribed Clay Tablets)

今から約5000年前、メソポタミア(現在のイラクのあたり)で人類の発明した文字は、その形が楔(くさび)に似ているので、楔形文字と呼ばれています。楔形文字は、粘土の板に、植物のアシの先端を削ったペンで刻まれました。粘土板文書とは、つまり現在の書類のようなものです。

横浜ユーラシア文化館が所蔵する楔形文字粘土板文書は326点、国内最大のコレクションです。ここでは、その中から興味深い粘土板文書11点をデジタル化し、詳しい解説をつけてご紹介します。

楔形文字粘土板文書 ガラスビュー
Cuneiform-inscribed Clay Tablets

楔形文字粘土板文書へのガラスビュー*導入は世界初!

この「ガラスビュー」を使って粘土板文書を紹介するのは、日本はもとより外国の諸機関が公開するデータベースでも初めての試みです。

*この機能を使うと、デジタル画像の上に文字が表示できる。情報をガラスに刷って上から重ねたように見えるので、このような名称がつけられた。

楔形文字を読む!

模様のようにも見える楔形文字ですが、この「ガラスビュー」という機能を使うと、それぞれの文字に対応する翻字**が同時に表示されるようになっています。

**楔形文字の音をローマ字に置き換えたもの。その右下についている数字は、同じ音をもつ複数の文字(同音異字)を区別するためのもの。

意味を知る!

表示した部分の和訳だけでなく専門用語の意味や解説も見ることができます。青文字を押すと、画面上に小さなウィンドウが現れ、用語を詳しく説明します。

さらに…

粘土板文書はビスケットのような小さな板ですが、古代オリエントの人々の営みを直接感じることができる貴重な資料です。展示室で直接ご覧いただくのはもちろん、このコンテンツをご利用いただき、楔形文字粘土板文書、メソポタミアの文化や経済にさらなるご興味、ご関心をお持ちいただければ幸いです。

■現在、ガラスビューで紹介している収蔵番号YMEAC-03-CT0056、YMEAC-03-CT0151の2点の粘土板文書は常設展示室で見ることができます。

参考文献

Gomi, Tohru, Yoko Hirose, and Kazutaka Hirose. Neo-Sumerian administrative texts of the Hirose Collection. Potomac, Md., 1990.
日本オリエント学会編『古代オリエント事典』岩波書店 2004年  
ビエンコウスキ、ミラード著(池田裕、山田重郎監訳)『図説古代オリエント事典 大英博物館版』 東洋書林 2004年
池田潤著『楔形文字を書いてみよう読んでみよう-古代メソポタミアへの招待-』白水社 2006年


協力者・機関

粘土板文書翻字・和訳 鶴岡宜規(中央大学大学院)
写真撮影 川瀬敏雄((株)堀内カラー)
技術協力(株)堀内カラー http://www.horiuchi-color.co.jp/